インドモンスーン
100g/380円 1kg/3,000円
まだ帆船の時代、コーヒーをインドからヨーロッパの港まで輸送するのに約半年かかりました。
この長い航海中に、船倉に保管されたコーヒー豆は船倉の湿気で緑色から黄金に変わり、独特の香味を持つようになりました。
そして多数の国で、このコーヒーを見るとインドを想起するようになりました。
時は帆船の時代から蒸汽船の時代に変わり、スエズ運河が開通すると、インドからヨーロッパまでの航海日数は大幅に短縮され、このコーヒーは姿を消しました。
しかし、インドコーヒー独特の香味を懐かしみ、黄金色のコーヒーを求める声は日増しに大きくなりました。
インドはこの要望に応えるために5~6月に吹く南西のモンスーン(貿易風)を利用したモンスーン・コーヒーの生産を始めました。
アンウォッシュド・アラビカ・コーヒーを風通しの良い倉庫で4~6インチの厚みで拡げ4~5日乾燥させます。
そして周囲の湿気にコーヒーが均等に晒されるよう時々かきまぜます。その後、袋に詰めて幾つもの列に並べます。
列と列の間は充分に拡げてモンスーンがコーヒーの列の間を絶え間なく、均一に吹き抜けるようにします。
週に一度くらいの割で、コーヒーを袋から出して詰め換え、あるいは袋の列を並び変えます。
こうして6~7週間経つとコーヒーは黄金色に変わり、独特の香味を持つ完全に「モンスーン化」したコーヒーになります。
コーヒーはその後、船積みのため精製加工されます。
モンスーン・コーヒーの輸出時期は10~12月で、欧米の多数の国で愛飲されています。